RPAコラムRPA-COLUMN
会計事務所のインボイス対応を楽にする方法
本年10月1日から
いよいよインボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートしましたね。
全ての事業者に関係してくるこの制度により、
私たち会計業界にも非常に大きな影響が出ています。
おそらくほぼ全ての会計事務所において、
今までにはなかった様々な追加業務や負荷が発生しているのではないでしょうか。
こちらの記事では、業界への影響をあらためて整理しつつ、
その負荷を改善する方法についてご紹介したいと思います。
■ここが大変!会計業界におけるインボイス対応
インボイス制度は、特例措置なども含めると非常に複雑な側面があり、
顧問先にきちんと理解していただくのが、なかなか難しい現状です。
本来であれば、顧問先の企業が、
取引先に関するインボイス対応をご自身で解決していただき、
その上で会計事務所に必要情報を提供してくれる形が理想なのですが、
そもそも制度が理解しづらいこともあり、
顧問先がそこまで責任を持ってくれるケースばかりではなく、
会計事務所に全て丸投げされる状況も多々起こっています。
そうなると、会計事務所には、以下のような負荷が降りかかってきますよね。
1:制度について顧問先へのレクチャー
2:顧問先の取引先が適格事業者か否かを代わりに調べる作業
3:適格事業者の場合には、事業者番号を調べる作業
4:適格事業者ではない場合には、
顧問先と当該取引先との契約内容の見直し等を確認・提案する作業
5:カード明細などそれ単体では2〜4の判断について情報が不足する場合に
レシートや領収書等と付け合わせて確認する作業
(そのためのレシート回収等)
6:一連の負荷増に伴い、顧問契約の見直し(値上げ等)やその説明
etc.
また、会計ソフト上もインボイス関連で入力する項目が増えていますので、
細かいことを言えば、スタッフの入力の手間も増加しています。
弊社は業務上、多くの会計事務所の方とお話をする機会がありますが、
やはりどの事務所様も、これらのインボイス対応に苦戦されているようです。
では、こうした会計事務所の負荷を改善する方法はないのでしょうか。
■増大した負荷を改善する方法・その1 〜理想像の追求〜
負荷の改善法として、まず一つには、上述した理想像のように
“顧問先の企業が、取引先に関するインボイス対応をご自身で解決していただき、
その上で会計事務所に必要情報を提供してくれる形”
の実現に努めることです。
実際に、顧問先との間で以下のように定めている会計事務所もございます。
●取引先が適格事業者か否かの確認及び判断は、顧問先自身が行う
●その内容に万一誤りがあっても
(例:適格事業者ではないのに適格事業者として入力をしていた等)、
会計事務所では責任を負わない
etc.
※こうした内容について顧問先に説明し、理解を得て、顧問契約書にも追加
いかがでしょうか。
このような対応ができれば、インボイス対応による会計事務所の負荷は最小限になります。
なるだけこの形に持っていけるよう、
まずはわかりやすいレクチャーや説明に尽力してみましょう。
しかし、このようにスムーズに行くケースばかりではないですよね。
その場合に検討可能な別の方法をご紹介します。
■増大した負荷を改善する方法・その2 〜RPAの活用〜
続いて、負荷の改善に役立てられるツールとしてRPAがあります。
もし仮に、負荷増大に伴って顧問料を上乗せできたとしても、
スタッフの負荷は大きく、疲弊させることには変わりありません。
そこで、上述した負荷のリストの内、
2:取引先が適格事業者か否かを代わりに調べる作業
3:適格事業者の場合には、事業者番号を調べる作業
について、RPAに作業をさせる方法です。
RPAは、事前に指示された作業をひたすら実行していく、
という業務が非常に得意であるため、
このケースでは以下のように活用できます。
●会社名や住所など必要情報を網羅した取引先リストを顧問先から収受しておく
●国税庁の適格事業者検索サイトをRPAに見に行かせ、
収受しておいた情報をもとに、取引先リストの1件1件について適格事業者か否かを検索させる
●適格事業者だった場合には、事業者番号をコピーし、所定のファイルに貼り付ける
ここまでRPAが作業してくれれば、
あとは判明した情報を元に会計ソフトへの入力を進めたり、
適格事業者ではないとされた取引先について念のため人が確認したりと、
残る作業に取り組めば良いのです。
インボイス対応において、最も労力を使うシーンの一つが、
この2・3に当たる部分かと存じますので、
そこをRPAが担ってくれるだけでも、
負担軽減のインパクトは大きいのではないでしょうか。
また、顧問先としても、
自分たちで2・3の作業をするのが大変なのは同じですから、
会計事務所に取引先の情報さえ渡せば良いとなると、顧問先に大変喜ばれるはずです。
つまり、RPAを活用すれば、自分達としても極力手間なく、
顧問先に貢献することができるのです。
なお、弊社では、既に完成しているRPAプログラムを
会員サイト上でご契約者様にシェアする仕組みを導入しております。
上記2・3を可能にするRPAプログラムも
既にダウンロード可能な状態になっておりますので、
ご自身で一からプログラムを組むことなくRPAを戦力にできる状態です。
ぜひ面倒なインボイス対応に、弊社RPAをご活用いただければ幸いです。
■まとめ
インボイス制度の本格スタートは、
会計事務所にとっても非常に負荷と手間の大きなものとなっています。
顧問先に理想通りにご対応いただくのも一筋縄ではいきませんし、
マンパワーをかけて負荷を解消しようにも、
スタッフの疲労やミス、残業の増加等も起こります。
そして、新たな採用等もうまく行くとは限りません。
ぜひ、こうした単純かつ面倒な業務こそ、RPAという戦力を活かしてみませんか?
インボイス対応をきっかけに、デジタル化にも舵を切れる好機と捉え、
会計事務所のステージを上げていきましょう!
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