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ChatGPTがもたらす税理士業界の変化と今後の展望
今、世界中で話題になっているChatGPT。
一体どんなものなのか?
税理士業務はなくなるの?
将来生き残るための対策は?
皆さまの気になることを一挙大公開!
税理士目線でChatGPTの脅威やデメリット、共存方法等を紐解いていきたいと思います。
【目次】
① ChatGPTとは
▼ChatGPTができること
② ChatGPTの精度
▼ダウンロード方法
▼実際に使用してみた(税理士によくある質疑応答)
▼回答の精度
③ ChatGPTがあれば税理士は不要になるのか
▼現状のChatGPTの精度をもとにした結論
▼将来の精度改善したChatGPTを想定した結論
④ これからの税理士業界を生き抜くために
▼デジタル化できる業務は手放す
▼ChatGPT普及に左右されない仕事の在り方について
⑤ おまけ(“このコラムどう?”ChatGPTに聞いてみた)
① ChatGPTとは
最近ネットで話題になっているChatGPTとは、OpenAI(人工知能研究所)が開発した
対話型のAIツール。
まるで人と会話しているかのようなやりとりが可能で、
その性能は今後、より一層高まっていくようです。
▼ChatGPTができること
1.対話(質問に対する回答)
→海外では“宿題はChatGPTを使ってはいけない”と言われるほど、
難しい質問、問題に対する正解率が高い。
2.文章の要約
→長い文章を理解し、短い文に要約することが可能。
→学校の宿題でよくある読書感想文もラクラク自動作成。
→しかも同じ文章を要約するとしても質問のたびに
回答(要約内容)が違うのもすごい!
3.Excelの関数を教えてくれる
→Excelを張り付け、“ここをこうしたい”“これを数えたい”といった
質問を投げると、適切な関数や回答を教えてくれる
4.アイディアをくれる
→料理のレシピ、詩や小説も題材を与えれば書いてくれる
ちなみに実際にChatGPTに、“あなたはどんなことができますか?”と
質問すると下記のような回答が・・
すごい!わかりやすく自分(ChatGPT)ができるものを教えてくれました。
ちなみに、ChatGPTは一度日本語入力したものを英語に翻訳し、
英語で返ってきた回答をまた日本語に翻訳するのですが、
違和感のない日本語の文章で回答しています。
※ChatGPT-4リリース(2023年3月14日)によりさらに出来ることが拡充。
→画像認識しそこからの推論や理解、より複雑な質問の回答等が可能に。
※プラグインリリース(2023年3月24日)
→最新の情報をもとに回答することが可能に
(現在ChatGPTは2021年までの情報をもとに回答するため最新情報は反映していない)、
また画像分析も行えるように。今後はさらにChatGPTの出来ることが多くなるでしょう。
② ChatGPTの精度
いったいChatGPTはどのくらいの精度で回答してくるのか?
実際に使って確認したいと思います。
▼ダウンロード方法
ますは無料で使えるChatGPTをダウンロードしてみました。
1)HPからダウンロード
2)“Sign up”をクリック
3)メールアドレス入力
4)登録したアドレスへメールが送付。
5)ログインして名前、電話番号を登録してスタート
登録やログインも簡単ですぐにサインインできました。
▼実際に使用してみた(税理士関連のワードを使って質疑応答)
それではさっそく使ってみましょう。
今回はよくお問合せのある質問、
① 個人事業において、必要経費にできるもの
②2,000万円を超える年収の場合、確定申告が必要なのか
をChatGPTに聞いてみました。
① 個人事業において、必要経費にできるものは?
なるほど。確認のために使う分には問題ない回答精度となっています。
②2,000万円を超える年収の場合は確定申告が必要なの?
おや?確定申告は必要ないとの回答。
その理由が、収入ではなく所得金額で2,000万円を超えるときに申告が必要とのこと。
もちろんこれは誤りで、“給与の年間収入金額が2,000万円を超える人は確定申告が必要”だと
国税庁のHPにも明記されています。
やはり回答の精度はまだ100%とはいえないことがわかります。
▼回答の精度について
上記の質疑応答からわかるとおり、まだまだ回答が100%正しいことはありませんでした。
しかしながら、ある程度の正確な情報も提示してくれるので、
補助的な役割として活用できそうな感触でした。
③ ChatGPTがあれば税理士は不要になるのか
▼現状のChatGPTの精度をもとにした結論
現状のChatGPTでは税理士不要とまではいえない、と考えます。
先ほどもお伝えしましたとおり、まだまだChatGPTの税務関係の回答は
正確なものとは言い切れません。
今の状態では、税理士の仕事が奪われるといったことはなさそうです。
▼将来の(精度改善した)ChatGPTを想定した結論
一方、将来の(精度改善した)ChatGPTでは、税理士不要の可能性は十分あり得る、と感じました。
日々進化しているAI。
今後ますます回答の精度が上がれば、
税務処理に大きく貢献するものとなり得ます。
顧問先が困ったときに質問する相手が税理士なのか、それともChatGPTになるのか。
■人間にないChatGPT良さ
・24時間365日、回答してくれる。
・回答のスピードが速い
・幅広い情報を高い精度で回答してくれる
・喜怒哀楽がなく、気を遣わずに対話できる
・対応地域の選別がない
こんなにメリットだらけのChatGPT。
今後はきっと多くの人が利用するようになることが想定されます。
それでは、税理士の仕事の大部分が、ChatGPTで代替可能になるのか?
本当に税理士の仕事がなくなるのでしょうか?
その脅威は計り知れませんが、
その脅威への対策を事前に行うことが大事になってきます。
④ これからの税理士業界を生き抜くために
▼デジタル化できる業務は手放す(DX化を取り入れる)
AIが得意なものはAIに任せること、これが肝心です。
そうすることで、人間が行うよりも業務処理のスピードがアップし、
精度もアップすることが可能となります。
今後DX化の波はますます加速することが想定されるため
今のうちからデジタル化できるものはデジタル化し、
人間で行う仕事、機械で行う仕事の棲み分けをしておくことが重要です。
既存の業務手順や工程に固執せず、柔軟に対応できる体制をとる。
それこそが今後の税理士業界を生き抜くカギになるでしょう。
▼ChatGPT普及に左右されない税理士業務(仕事)の在り方について
デジタル化が加速するとともに
人間にしかできない仕事
人:人の関係性の構築
が価値あるものとなっていくでしょう。
今、税理士業界のみならず、すべての職種で人間の役割、在り方が問われています。
存在する(取得できる)データが多いものほど、AIが得意とする分野であるため、
税務申告といった決まった答えがある場合はChatGPTが非常に有効なツールとなります。
しかし、税理士の仕事である、税務相談やアドバイスを行うことは、
相談者の背景や複雑な要因が絡み合っているため、AIでは適切に回答できず、
人間でしか行えない分野となります。
問題・目標を解決する過程(時間や苦労)を経て
解決したときの喜び、達成感を味わうこと、
そしてそれを共有することはAIにはできません。
感情の共有、体験すること、コミュニケーションを通じてのストレス解消等、
対人間にしかできない部分は、将来的にも必要とされ、よりフォーカスされるでしょう。
“税理士の○○先生に相談したい”
“困ったときに頼りになるのは税理士の○○先生だ”
“こんなことがあった!すぐに税理士の○○先生に報告しないと”
という唯一無二の存在になること、その関係性を構築することが、
ますます大事になると考えます。
そのためにも、
顧客への信頼関係構築、
手厚い税務相談やアドバイスのための時間捻出が
今後の要になるといっても過言ではないでしょう。
その時間の捻出のために、デジタル化をうまく利用すべきだと痛感します。
⑤ おまけ(このコラムどう?ChatGPTに聞いてみた)
これは余談ですが、本コラムの内容をChatGPTに聞いてみました。
“このコラムどう?わかやすい?”と質問。
気になる回答はこちら。
褒めてくれてありがとう!
要約するのも上手だわ!