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5月12日開催 ライズサポート税理士事務所 武渕先生 テレワーク実践セミナー

昨日5月12日(火)ライズサポート税理士事務所・武渕先生による
“テレワーク実践セミナー”を開催致しました。
当日は、3月決算5月申告やクライアント様のお忙しい状況にも関わらず、
80名募集の中70名以上の方にご参加頂けました。
ライズサポート税理士事務所様は、美容室専門で半分以上は美容室のお客様です。

 

◎テレワーク導入の経緯

昨年8月より完全テレワーク体制に移行が終わりました。
テレワークに関しては、どこでも仕事ができる環境面のメリットがあるため、
以前より模索しておられました。
ベースになる資料の回収を意識して事務所経営を行っておられます。
どこでもできる仕事、生産性の高い仕事を目指すという
一貫してぶれない経営手法を実践されている点が、
とても参考になりました。

生産性向上のキーワードになるのが、
ペーパーレス、標準化、RPAを駆使するということです。

当初よりテレワークをやりたいと思っておられましたが、強く目指すという方向ではなく、
職員さんに事務所に来てもらって事務所をやっておられました。

従業員さんが辞めたいと言われたのがきっかけで、
従業員さんにヒアリングしたところテレワークなら継続できるとのことで、
テレワークを本格的に進められました。

現在、お客さまが60件、全て対応できているとのことでした。

 

◎コロナの影響

電話を中心にクライアント様と連絡をとり、
4月くらいに半分くらいは調達されているとのことでした。
5月には、ほぼ全てのクライアントが
給付金対象になってきているとおっしゃっていました。

 

◎テレワークとはなにか(税理士業界のテレワークを3つ)

テレワークは、場所や時間にとらわれない働き方で、
税理士業界が行うであろうテレワークは、下記3つの中でも
「在宅勤務」がほぼ全てに該当するのではというお話でした。

・在宅勤務
・モバイル勤務
・サテライトオフィス

 

◎在宅勤務のメリット・デメリットについて

★雇用者側メリット
・オフィス関連コストの削減
・人材確保・離職率の低下
・有事のリスク低減

★雇用者側のデメリット
・やり方次第 初期・ランニングコストの発生
・時間管理の難しさ
・セキュリティー管理

★労働者側のメリット
・通勤時間の削減
・仕事とプライベートの両立
・住む場所を選ばない

★労働者側のデメリット
・自分で時間管理が必要
・運動不足になる
・PC作業の仕事に限られる

【重要】
デメリットを把握して、対策しながら進めていくことが
とても大切だとおっしゃっていました。

 

◎税理士会のテレワークの見解

監督が明確に行われているか、監督がとても大切になる。
非税理士行為などの防止、偽税理士の防止は絶対に防ぐという制度を作るということ。

 

◎税理士業界の導入の3つのポイント

【1】PC環境構築
以下、3種類の環境がある

①リモートデスクトップ
②仮想デスクトップ
③仕事用PCを貸与

◆検討すべき事項

下記4つの検討すべき事項を総合的に判断して、
今の事務所には何が合うかを考えていく。

・クライアントのデータへどうやってアクセスするか。
・会計・税務ソフトは利用できるか。
・セキュリティーの安全性
・構築に費用、時間どれくらいかかるか。

①リモートデスクトップ
普段使用している会社PCを社外PCから遠隔操作する方法。

②仮想デスクトップ
サーバー内の仮想PCを社外PCから遠隔操作する方法。
(物理的にPCはないサーバー内に仮想PCがある。)

③仕事用のPC貸与
普段使用している会社PCを貸与する方法。
普段から使用している会社PCのため、いつもと同様の操作

【重要】
一番のポイントは一番ストレスのないやり方をやること。
もちろんセキュリティーの部分はしっかり考える。
仮想デスクトップは導入コストや構築の難易度は高いので
現時点では、会計事務所に向かない可能性も高い。
会計・税務ソフト使用がストレスなく使えるかどうかが重要。

 

【2】テレワークで重要な原始資料の入手

原始資料をどのような形で入手するかは非常に重要。
原始資料を会計・税務データを変換する際には、2つのやり方がある。

一つは、手入力。
もう一つは、一旦エクセルやCSVに変換して会計や税務の方に流す。

アナログデータからエクセルデータへの変換は増えてきている。
データをエクセルやCSVに変換させるのがテレワークに向いている。
もし、手入力のやり方を行っていると、誰かが出社しないといけない。
小さな事務所であれば、転送をかけるという方法もあります。
資料の渡し方が大切なポイントになってくる。

 

【3】労務管理について

今までにないところになるので、考え方が難しい。
ある程度は事前に決めて、まずは信頼関係で進めてみる。
始業・終業・離席の連絡、作業日報、
ZOOM等の常時接続などで管理しているという会社もある。
(会議だけではなくテレワークをしている間ZOOM等を常時行っている、など)

交通費や、水道光熱費や通信費の負担などをどう考えていくかの問題点もある。

マネジメントとして、従業員と直接会わないため
コミュニケーション不足を起因とした各種問題を想定する必要がある。
ビジネスと直接関係のない内容を話さないので
モチベーションが高いか低いか、悩みなどが把握しずらい。

 

◎テレワーク環境

仕事用PC貸与+ドロップボックス
社内サーバーはなくドロップボックス上で行う。
顧客とのやり取りは、チャットワークでやっている。
クラウド会計の顧客が半分以上ある。

 

◎業務のフロー

現金出納帳・売掛金 エクセルで打ってもらう。
通帳・クレカ・レジ等は、会計ソフトMFが自動で取り込みを行う。

 

◎原始資料の回収の仕方

データ化はお客様が行っている。紙資料はまだ4件ある。
テレワーク開始前は10件あったが、
手入力をデータで行うことによる料金の差を付け、動いてもらった。

残りの4件は、開業初期からやってきているので、
今後、お客様に変化してもらうつもりだが、
独立当初からお世話になっているのもあり、なかなか変えてもらいにくい。

データでもらう場合には、統一フォームの作成が大切。

 

◎労務管理

月の中で2回、15日・25日に締める。いつするかは労働者の自由。
実際に同じクライアントごとに、ある程度時間をみている。
ただ、このあたりはある程度、しょうがないところもあると考えている。
実際には、テレワークには関係なく、仕事に来ていてもさぼる人はさぼる。
信頼関係でやっている部分もある。
今はチャットワークでしか従業員とコミュニケーションをとっていないので、やや心配になっている。

 

◎今後について

コロナ前の環境には戻らない可能性が高い。
データでの受領が可能となるとRPA活躍の場が増え、生産性が向上する。
2、3年後にはデジタル化が進んでいる事務所と
進んでいない事務所での生産性の2極化が進む。

 

◎講演を聞いた感想

1人で生産性を3,000万円をあげる事務所は
デジタル化が圧倒的に進んでいるという印象をうけました。
武渕先生は、人を増やさずに5,000万円までいけると、講演でお話されていました。
実際にこれだけデジタル化が進んでいれば可能だろうと思わせて頂く内容でした。

資料回収の紙媒体からの脱却、資料をドロップボックスにより受領、テレワーク、RPA、
これら全てのシステムが生かされている事務所でした。

今後テレワークで成功した事務所やRPAで成功した事務所は出てくるでしょうが、
局所的な成功では、やはり効果は限定的にすぎないと考えます。

全てが有機的にシステム化されてこそ、自動化であり、
人間が付加価値の高い業務につくことができ、
事務所全体の生産性の最も高いレベルでの向上が図れるということが改めて分かりました。

武渕先生、本当に有難うございました!!

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