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RPA普及の時代、税理士に求められる1つの条件

こんにちは、会計事務所RPA研究会のS美です。

RPAの普及が業界問わず進んでいますね。

会計業界は、むしろどちらかと言えば遅れている方で、

多くの企業で様々な業務がRPAによって自動化されています。

 

税理士の主力業務の一つ「記帳代行」も、

RPAなどのテクノロジーを駆使すれば

各企業が自前で完結させることが理論上可能です。

そうなってくると、

記帳代行はゆくゆく料金を取れる業務として

成立しなくなるのではないかという識者の方もいます。

 

このように「RPAの普及により税理士の仕事が奪われるのでは?」

という不安がよく浮上してくるのですが、

弊社の立場としては、

RPAが完全に税理士の会計業務をなくす時代は来ないと考えています。

 

例えば、Excelのマクロ機能を考えてみてください。

今や、Excelを全く使わないという企業は、かなり少ないはずです。

つまり、「マクロ機能」という自動化機能を使える土壌は、

どの企業も持っているはず。

しかし、現実として世の中を見渡してみれば、

「マクロ機能を使えば自動化できる業務」は、

自動化されないまま、山ほど残っているでしょう。

マクロ機能を活用しない理由としては、

 

・マクロ機能を知らない

・使い方がわからない、学ぶ時間がない

・使わなくても何とかなっている

 

・・・といったところでしょうか。

このように、各機能を使うかどうかは企業次第でもあるので、

全ての企業が「記帳代行」を自前で行う、という状況にはならないはずです。

また、(たとえ自分でできるとしても)お金のことは専門家に頼みたい、

というニーズも根強く残るでしょう。

 

そうした理由から、

「RPAが完全に税理士の会計業務をなくす時代は来ない」と考えているのです。

しかし一方で、

「RPAの普及に伴って、自前で税務関係を実行できる企業も増えていく」

「RPAの普及に伴って、企業が税理士に頼る業務が減っていく」

のは、ほぼ間違いないでしょう。

 

その時代に向けて、税理士に何ができるか。

 

答えは様々ですが、中でも1つあげるならば、

「まず税理士自身がRPAをきちんと知り、活用できるレベルでいること」です。

 

もし、各企業が、RPAを活用して税務関係を処理しようとする時、

RPAの導入そのものは、RPAのメーカーがサポートを行うかと思いますが、

その先のシナリオを組む際などに、税務知識などが必要になります。

当然RPAメーカーの担当者は、税務のことはわかりません。

一方で、それまで税務関係を会計事務所に任せてきた企業のように

その企業内にも、税務に通じるスタッフがいない場合、

RPAメーカーとその企業との間に税理士が入り、

シナリオ作成などを支える必要が出てきます。

そうなると、税理士がRPAというものを理解していなければ、

この場面では必要とされません。

「RPAがわかる税理士」が必要とされるのです。

 

RPAは、導入することそのものよりも、

その先の活用の方が何より重要であり、

どの業務が自動化に向いていて、どの業務が自動化には向かないのか、

それを切り分けながら運用せねばなりません。

もし自動化には向かない業務を自動化しようとしてしまうと、

かえって手間ばかりが発生し、大した効率化に繋がらない、という

悲しい結末になってしまいます。

 

この辺りの「RPA感覚」を税理士が持っているかどうか、は

この先、非常に重要なのです。

 

ついては、まず税理士自身が、自事務所の業務をRPAで自動化し、

ノウハウを持つことが何よりの経験値と説得力にも繋がります。

そして、その経験値と説得力は、

一朝一夕に身に付くものではありません。

少しずつ積み上げねばならないものです。

 

いかがでしょうか。

RPAによる自動化は、自事務所の効率化のためだけではありません。

この先も「必要とされる税理士」であり続けるために、

必要なことなのです。

ぜひまず自社でRPAを活用していただければと思います。

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